2025年12月2日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

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9ヶ月連続の節目割れとなった米製造業景況感。トランプ関税への警戒感が現場の意思決定を「凍結」させており、スタグフレーションの影が忍び寄っています。


日銀の植田総裁が12月利上げの検討を示唆したことで、海外発の金利上昇圧力が到来。弱い経済指標でも金利が上がる「悪い金利上昇」に警戒が必要です。


データベース大手MongoDBが好決算を発表。AIアプリの実需がクラウド収益を押し上げており、ハイテク株において「稼げるAI」への選別が進んでいます。


アマゾンへの強気評価が継続。データセンターの電力1ギガワットが30億ドルの収益を生むという試算は、巨額のAI投資が実を結ぶことを示唆しています。



2025年12月2日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

直近24時間の市場の動き

株式市場(S&P 500 / Nasdaq) S&P 500は6,812.63(-0.53%)、ナスダック指数は23,275.92(-0.38%)といずれも反落しました。ISM製造業景況感指数が予想を下回る48.2となり、米製造業の縮小が続いていることが嫌気されました。同時に発表された価格指数が上昇しており、景気減速とインフレが併存するスタグフレーションへの懸念が浮上したことで、利益確定売りが優勢となりました。  

米国金利(10年債利回り) 米国10年債利回りは4.0960%(+1.97%)へと急上昇しました。通常、弱い経済指標が出れば金利は低下しますが、昨日は日本銀行の植田総裁が利上げの検討を示唆したことで日本の金利が上昇し、それに連動して米国債も売られる(利回りが上がる)展開となりました。海外要因による「悪い金利上昇」が市場の重石となっています。  

ビットコイン ビットコイン価格は86,449.84ドル(-5.09%)と大きく調整しました。週末に発生した「Sunday Slam」と呼ばれる急落の余波が続いており、4億ドル規模のレバレッジ(買い持ち)ポジションが強制清算されたことで上値が重くなっています。株式市場のリスクオフムードや、12月の税金対策売りへの警戒感も下落圧力となりました。  


過去24時間の重要経済・金融ニュース4選

1. 日銀・植田総裁が12月利上げの検討を示唆、米国債市場にも「悪い金利上昇」が波及

日本銀行の植田和男総裁は12月1日の名古屋での講演で、次回12月18-19日の会合にて利上げの「是々非々(pros and cons)」を検討すると明言しました。これを受け、市場では12月の追加利上げ観測が急速に高まり、日本の長期金利が上昇しました。この動きはグローバルな債券市場に波及し、米国では同日発表の経済指標が弱かったにもかかわらず、10年債利回りが4.09%台へと上昇する異例の展開となりました。投資家は、米国の景気減速と海外発の金利上昇が同時に進行する難しい投資環境を警戒しています。  

2. 米ISM製造業景況感指数は予想を下回る48.2、トランプ関税への懸念が企業活動を「凍結」

米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業景況感指数は48.2となり、好不況の節目である50を9ヶ月連続で下回りました。内訳では新規受注や雇用が低迷する一方、仕入れ価格指数は上昇しており、景気停滞下で物価が上昇する「スタグフレーション」の兆候が示されています。特に企業の購買担当者からは、トランプ次期政権による関税政策への不透明感から、サプライチェーンの意思決定や設備投資を「凍結(Freezing)」せざるを得ないとの声が多数上がっており、政策リスクが実体経済の重石となり始めています。  

3. アマゾンに強気評価、AIデータセンターの「電力1ギガワット=売上30億ドル」の収益性を好感

投資銀行のオッペンハイマーは12月1日、Amazonの目標株価を従来の290ドルから305ドルへ引き上げました。同社はAWS(クラウド部門)の設備投資を加速させていますが、アナリストは「データセンターの電力容量を1ギガワット追加するごとに、約30億ドルの収益が生まれる」という試算を提示し、巨額のAI投資が将来のキャッシュフローに直結すると評価しました。市場全体が調整する中、MongoDBの好決算と合わせて、実需に基づいたAIインフラ関連銘柄への選別投資が有効であるとの見方を裏付けるニュースとなりました。  

4. 欧州エアバスが6%急落、主力機A320ファミリーに新たな品質問題とシステム不具合が発覚

欧州の航空機大手エアバスの株価は12月1日、パリ市場で約6%下落しました。ロイター通信などが、同社の主力旅客機であるA320ファミリーの一部において、胴体パネルに関連する産業的な品質問題が見つかったと報じたことが嫌気されました。また、太陽放射によって飛行制御データの不具合が生じる可能性についても指摘されています。ボーイングに続きエアバスでも品質管理問題が表面化したことで、航空宇宙セクター全体の信頼性が揺らぐとともに、サプライチェーンへの影響が懸念されています。  


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