ビットコインは1.7%下落し93,600ドル台。市場センチメントは「極度の恐怖」に沈み、下落リスクが警戒されています。

米大手ヘッジファンドがテック株を一斉に手仕舞い。AI熱狂の巻き戻しが本格化する兆しを見せています。

ウクライナがギリシャ経由で米国産LNG調達を確保。厳冬を前にした欧州のエネルギー地図にも影響が出そうです。

米国がNZ向け追加関税の一部撤廃を発表。アジア太平洋地域との通商協調に向けた地ならしが進んでいます。

2025年11月17日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

ビットコイン価格動向

過去24時間のビットコイン相場はやや下落傾向でした。米FRBの利下げへの慎重姿勢や世界的なリスクオフムードを背景に、14日には約$95,885（1BTC）まで下押しされ、16日も一時$94,000を割り込む場面がありました。

現在は約$93,600（前日比-1.7%）と、ここ6か月余りの安値水準にあります。市場の「恐怖・強欲指数」は極度の恐怖ゾーン（10）に低迷し、アナリストの多くがさらなる下振れリスクを指摘しています。

一方、MicroStrategy社のCEOマイケル・セイラー氏は「Big Week」の投稿で追加買いの可能性を示唆しており、市場ではそれを好材料視する動きもありました。

米大手ヘッジファンド、テック株を大幅売却

米ヘッジファンドの決算開示で、主力ファンドがAI関連を含む主要テック株の保有比率を大幅に縮小したことが明らかになりました。レイ・ダリオ氏率いるブリッジウォーターは3か月間でNvidia株を約3分の2に、Google親会社Alphabet株を50%以上減らしました。

タイガー・グローバルやコートゥなどもMetaやAmazon株を大量に売却し、ポートフォリオのリスク調整を進めています。これら一連の動きは、直近のAIブーム後退への懸念を反映しているとみられます。

ウクライナ、ギリシャ経由で米LNG輸入確保

ウクライナのゼレンスキー大統領はギリシャ訪問中、冬季のエネルギー安定化のため米国産液化天然ガス（LNG）の輸入協定に署名しました。ギリシャのパイプラインを通じ、12月から来年3月にかけてLNGを輸送するもので、実際の供給は1月開始予定です。

ゼレンスキー氏は「ロシアによって破壊された国内生産の不足を補う」ためと説明し、冬季の燃料不足対策を強調しました。同時に、ウクライナは欧州連合保証による資金手当も進めており、総額20億ユーロ規模の輸入資金を確保しているといいます。

米国、NZ向け追加関税を部分的撤廃

米国の新政権はニュージーランド向け農産物の追加関税を解除する措置を発表しましたreuters.com。対象は牛肉や果物など約12億5000万ドル相当分で、トランプ前政権が課していた200品目超の関税の一部にあたりますreuters.com。これについてニュージーランド政府は「米国は重要な貿易相手国であり、この解除措置は輸出業者にとって前向きだ」と歓迎する一方、残る関税の全面撤廃も引き続き訴えていく方針を示しましたreuters.com。

中国景気：製造業生産・小売鈍化

中国国家統計局によれば、10月の鉱工業生産は前年同月比+4.9%、都市部の小売売上高は同+2.9%と、いずれもここ1年余りで最低の伸び率となりましたreuters.com。米中貿易摩擦や内需低迷の影響を受けた結果で、経済専門家は「輸出頼みの成長が限界に近づく中で、追加の景気刺激策や構造改革が急務」と指摘していますreuters.comreuters.com。今回の低調な統計は、中国政府が進める財政・金融政策支援の強化策が必要であることを改めて浮き彫りにしました。