2025年10月4日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

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政府閉鎖で雇用統計など主要データが停止。市場はADPやカード決済など代替データで景気を読み、再開時の“統計ドカ出し”に備える展開です。


BofAは初回利下げを12月から10月へ前倒し観測に転換。私設データが示す労働減速を根拠に25bpを想定しつつ、過度な緩和の副作用にも警戒が広がります。


OPEC+は11月の増産再開を協議中。原油は週次で7–8%安と急落し、インフレ圧力の低下が長期金利の上値を抑える一方、エネルギー株には逆風です。


AppleがICE追跡アプリを削除。政権や当局の要請が背景とされ、テック規制リスクが再燃—大型テックの評価変動要因として意識されます。



2025年10月4日 過去24時間の市場動向と経済ニュース


主要市場の過去24時間動向

米株(S&P 500 +0.01%、Nasdaq -0.28%)

  • 寄り付き後は利下げ前倒し観測が優勢で主要指数が日中史上高値圏に接近。もっとも引けにかけては材料難+シャットダウン継続で伸び悩み、S&Pは小幅高、Nasdaqは反落で着地。背景には「雇用統計などの政府統計が止まり、投資家は代替データで手探り」という状況がある。Reuters+1
  • 業種・個別では、半導体製造装置の一角が対中輸出規制の逆風を意識して軟調(例:AMAT)。一方、ヘルスケアや一部金融が支えたとの指摘。場中の騰落は「利下げ観測ベースのグロース買い」対「規制・政策不確実性」のせめぎ合い。Reuters
  • 政治・制度面は、上院で与野党の暫定予算案がいずれも可決に届かず、閉鎖長期化リスクが上値を抑える要因。公共投資の凍結・見直しなど行政措置が相次ぎ、個別株への波及(建設・輸送など)も警戒。Reuters+3Reuters+3Reuters+3

米金利(10年債 4.119%、+0.76%)

  • 方向感は限定的な小幅上昇。公式統計が止まるなかで、ADP等の私的雇用指標の弱さサービス鈍化がスローダウン観測を補強しつつも、「本丸データ不在ゆえの手控え+薄商い」で大きなトレンドは出ず。Reuters+2Reuters+2
  • 市場テーマは「“視界不良”でも利下げは近い」のコンボ。週明け以降も通常通りの国債入札が予定されるとの整理もあり、タームプレミアムの急伸は回避。ただし再開後に統計が一気に出る局面でボラ拡大に備える必要。Investing.com
  • リスクイベントとしては、閉鎖中の財政執行の選択的停止(州・都市向け資金凍結等)が地方債や関連セクターの信用スプレッドに波及するリスク。金利全体の方向というより債券内リラティブでの分散を検討。Reuters+1

ビットコイン($122,170、+1.27%)

  • 12万ドル台を維持して上伸。場中には$123k超の場面もあり、史上高値(約$124k超)手前での“押し目待ち難”が続く。足元の上昇はQ4の季節性と利下げ期待が主因との整理。coindesk.com+1
  • フロー面では、ETF・大型保有者の需要回復を示すレポートが増加。$116k上抜けを機に強気フェーズに移行したとの見方も。短期的にはストップ絡みでヒゲが出やすいため、利確・再エントリーのルール化が有効。coindesk.com
  • 伝統資産との相関は薄めだが、“統計空白→利下げ思惑”というリスクリバーサルは暗号資産にプラス。一方で政府閉鎖が規制執行のタイムラインを乱す可能性はヘッドラインリスクとして残る。Reuters


本日の主要ニュース

1) 政府閉鎖で「統計空白」拡大—Jobs Day停止、市場は代替データ頼み

米連邦政府の一部閉鎖により、BLSの雇用統計をはじめとする主要マクロ指標の公表が停止し、今週のJobs Dayは未公表のままとなりました。Business Insider BEAも「閉鎖中は経済統計の公表を停止」と告知し、データ空白は広範に及びます。bea.gov このため市場とエコノミストはADP・求人ボード・カード決済・来店フットトラフィックなどの私設・高頻度データで労働需給や景気の手触りを補完する体制へ移行。mint+1 直近ではADPが民間雇用▲3.2万人と弱く、ISM非製造業は50.0へ低下し、需要・雇用の鈍さがにじんでいます。Reuters+1 一方でFRBは公式指標欠測下での判断を迫られ、民間データへの依存度上昇と政策の不確実性が意識されています。Axios 足元の相場は「低採用・低解雇」の見立てを背景に利下げ観測が下支えする半面、統計再開時の“一気出し”による再価格付けで債券・株式のボラ拡大がリスク。Reuters 総じて、データ空白=価格発見の遅延が当面のテーマで、公式統計再開のタイミングと内容が次の相場ドライバーになります。theguardian.com

2) BofAが“10月利下げ”に前倒し—データ停止下でも「労働減速」で正当化

バンク・オブ・アメリカは初回利下げ見通しを12月→10月へ繰り上げ、労働市場の減速シグナルだけで10月25bpを正当化できるとしつつ過度な緩和にも警戒しました。 Reuters 同社は年内1回予想で、GSやMSなど2会合連続の25bpを見込む陣営とはスタンスが分かれます。 Reuters+1 政府閉鎖で雇用統計が未公表となりFRBの判断は難化する一方、代替指標は減速を示唆しており、前倒し観測の論拠となっています。 Reuters+1 実際、民間雇用の弱さや高頻度データの鈍化が報じられ、低採用・低解雇の見立てが広がっています。 Reuters+1 ADP推計では9月の民間雇用が▲3.2万人とされ、市場心理の冷えを補強しました。 The Guardian 先物確率ではCME FedWatch10月利下げを高確率12月の追加利下げも織り込みが進行。 cmegroup.com+1 マーケットは「前倒し利下げ=株・暗号資産の下支え、長期金利の上値抑制」を意識する半面、統計再開時の再価格付けによるボラ拡大を警戒。 Reuters 総じて、視界不良下の“私設データ主導”が続くなか、公式データが戻った際に私設指標との齟齬が出れば巻き戻しのリスクが残ります。 Reuters

3) OPEC+が“増産再開”を協議—原油は週次で7–8%安へ

OPEC+は11月の追加増産を巡り協議中で、サウジは27.4万~54.8万バレル/日の拡大を主張、ロシアは13.7万バレル/日程度の小幅案を支持と伝わります。 Reuters 増産観測が強まるなか、ブレントは約8.1%安、WTIは7.5%安と今週は大幅下落の見通しで、足元はそれぞれ64ドル台/60ドル台にとどまっています。 Reuters 直近では「11月に最大50万バレル/日」との観測や「最低13.7万バレル/日」(10月と同規模)の案が報じられ、規模感のコンセンサスはなお流動的です。 Reuters+1 一方、先物曲線の軟化(期先の弱さ)が進み、OPEC+が過度な増産に慎重になるべきサインとの見方も。 bloomberg.com 需要側では季節要因や製油所メンテが重石となり、在庫・供給増観測とあわせて供給過剰懸念が意識されています。 Reuters 週前半にはクルド原油輸出再開の思惑も重なって下落圧力が増幅。 Reuters 総じて、増産協議の着地点(規模・ペース)が次のドライバーで、決定内容次第では年末の需給バランスとインフレ期待に波及しうる局面です。 Reuters+1

4) Apple、ICE(移民税関捜査局)追跡アプリを削除—政権圧力めぐりテック規制リスク再燃

AppleはICEBlockなどICE職員の活動をクラウドソースで可視化するアプリをApp Storeから削除トランプ政権(司法省)からの要請を受けた対応だと認めました。 Reuters Apple側は法執行当局の安全リスクやポリシー違反を理由に挙げ、既存ユーザーは当面利用可能と報じられています。 The Guardian+1 波及し、Googleも類似の“Red Dot”をPlayで削除(ICEBlockは未掲載)と伝えられ、主要プラットフォームで同時多発的な締め付けが確認されました。 The Verge 一方、開発者側は表現の自由(First Amendment)を主張して反発、政治介入によるプラットフォーム運営の恣意性が焦点化。 The Guardian+1 司法省の関与が報じられる中、政府閉鎖下でもDOJ/FTCの業務は一部継続しており、監督・執行の不確実性が市場のテック割引要因になり得ます。 Fox Business+1 加えてAppleは過去も審査強化や大量削除を公表しており、安全・詐欺対策を名目とする範囲拡大が続くとの見方が優勢です。 Apple 総じて、移民・治安とプラットフォーム統治が交差する高感度テーマ化で、レギュレーション/コンテンツモデレーション見出し大型テックの評価変動リスクとして再浮上しています。 Reuters+1



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