FRB、7月利下げに慎重姿勢を表明。トランプ大統領の圧力に正面から反論し、データ重視を貫く構えです。

米・イランが停戦協議入りへ——トランプ氏は「戦争は終わった」と楽観視。地政学リスク後退で原油相場は急落しました。

BIS年次報告が「世界経済は岐路」と警鐘。保護主義とサプライチェーン分断が金融システムに深い亀裂をもたらす可能性を指摘しています。

米関税の余波で英自動車生産が前年同月比 32.8％減と戦後最悪の落ち込み。欧州製造業に保護主義の打撃が鮮明になりました。

暗号通貨市場は反発。ビットコインは午後にかけて上昇し、高値 108,000ドル台を回復しています。

2025年6月30日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

ビットコイン市場動向（過去24時間）

過去24時間のビットコイン価格はおおむね1ビットコイン＝107,000～108,400ドルのレンジで推移しました。日中は落ち着いた値動きでしたが、午後から上昇基調が強まり、価格は108,000ドル前後まで上昇していますainvest.com。この上昇により、ビットコインは週初の下落局面（10万ドル割れ）から反発し、現在は高値圏を維持していますainvest.com。価格レンジの狭さにもかかわらず出来高は減少傾向にあり、市場では買いの勢いが依然強いことを示唆しています。

本日の主要経済・金融ニュース（英語圏情報ソースより）

FRB、7月利下げに慎重 – トランプ大統領の圧力に反論

米連邦準備制度理事会（FRB）は7月の利下げ実施に慎重な姿勢を示しています。トランプ大統領が「インフレが落ち着いている今、利下げすべきだ」と主張しているのに対し、FRB内部では7月会合での利下げに前向きな高官はわずか2名に留まっており、大半はさらなる経済指標の確認が必要との考えですreuters.com。パウエルFRB議長も、関税の影響などを見極めるまで政策金利は据え置く方針を強調しており、早期利下げ観測を牽制しましたreuters.com。市場では年内数回の利下げを織り込む動きがあるものの、FRBは現時点で拙速な金融緩和に慎重で、S&P500やナスダック指数が過去最高値を更新する中でもデータ重視の姿勢を崩していませんreuters.comreuters.com。

中東情勢: 米・イラン協議へ – 「戦争は終わった」とトランプ氏、原油急落

トランプ米大統領はイランとの公式協議を来週行う予定であることを明らかにし、中東における戦争は「事実上終わった」と宣言しましたbloomberg.co.jp。米軍が今週イランの核施設3か所に対して空爆を実施し「完全に破壊した」（トランプ氏）ことを受け、12日間に及んだイランとイスラエルの軍事衝突は停戦に至っていますbloomberg.co.jp。この停戦により中東全域への戦火拡大懸念が後退し、原油価格は急落して紛争中の上昇分をほぼ帳消しにしましたbloomberg.co.jp。トランプ大統領は核開発問題での合意締結について「必要ないかもしれない」と述べつつも、外交交渉の次の段階へと移行する姿勢を示していますbloomberg.co.jpbloomberg.co.jp。地政学リスク後退を受け、市場ではエネルギー価格の安定と中東情勢の緊張緩和が評価されています。

BIS「世界経済は岐路に」 – 貿易戦争などで不確実性拡大

各国中央銀行の連合体である国際決済銀行（BIS）は年次報告で、世界経済が「岐路」に立たされているとの認識を示しましたreuters.com。BISのカルステンス総支配人は、米国主導の貿易戦争や地政学リスクの高まりが長年維持されてきた国際経済秩序を揺るがし、金融システムに深い亀裂をもたらす恐れがあると警鐘を鳴らしていますreuters.com。報告書は「新たな時代の不確実性と予測不可能性」が高まっており、各国政府や中央銀行に対する信頼も試されていると指摘しましたreuters.com。特に保護主義の台頭やサプライチェーン分断が世界経済の成長に与える下押し圧力を強調し、各国当局に対し協調的な対応を呼びかけています。これは、トランプ政権が7月9日に設定した各国との貿易協議期限が迫る中で公表されたもので、BISは現行の国際協調路線が今後試練に直面する可能性を示唆していますreuters.comreuters.com。

米関税で英自動車生産が戦後最大の落ち込み

アメリカの関税政策がイギリスの自動車産業に深刻な打撃を与えています。5月の英国自動車生産台数は前年同月比32.8%減少し、第二次世界大戦後では最悪の5月の落ち込みを記録しましたreuters.com。これは今年3月にトランプ大統領が発動した自動車・部品への25%追加関税の影響が大きく、部品供給網の混乱やコスト増大により欧州の自動車メーカー各社が生産縮小や輸出見送りを余儀なくされたためですreuters.com。英国から米国への自動車輸出は5月に55.4%減と急減しreuters.com、欧州メーカーの間では関税回避のため生産の一部を米国内に移転する動きも出ていますreuters.com。もっとも英国政府は米国との貿易協定で一定台数の英車両に10%関税枠を確保するなど対策を講じており、業界団体も米欧関係の改善に期待を寄せていますreuters.com。それでも保護主義の影響が欧州製造業の重しとなっている現状が浮き彫りとなりました。