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米PCEコアが予想を上回り、年内利下げ観測にブレーキ。トランプ大統領はパウエル議長へ「一刻も早い緩和」を求め、FRBとの緊張が再燃しています。
OPECプラスが8月から日量40万バレル超の増産を検討との報道に加え、米仲介でイラン‐イスラエル停戦が成立。原油は一時67ドル台へ急落し、エネルギー株に売りが波及しました。
それでも株式市場はリスクオン継続。S&P500とナスダックは揃って史上最高値を更新し、ビットコインもETF資金流入を追い風に10万7千ドル台と高値圏を維持しています。
中国人民銀行は「より前倒しで効果的な」追加緩和を示唆。内需低迷と対米関税の逆風に備え、預金準備率引き下げなど金融刺激強化への思惑が高まっています。
5月の米個人消費支出は減少し経済減速の兆しが見られた一方、中核的なインフレ率が市場予想を上回る伸びとなりましたreuters.com。コアインフレ率は年率換算で2.7%と前月より加速し、FRBの目標とする2%から再び遠ざかった格好です。これにより、年内にも開始が期待されていた利下げについて先行き不透明感が強まりました。市場では弱い消費を材料に当初は年内75bp(0.75%)の利下げを織り込む動きもありましたが、インフレ再燃が意識されFRBは慎重姿勢を崩していませんreuters.comreuters.com。利下げを強く望むトランプ大統領はパウエル議長に繰り返し不満を表明しており、FRBが思うように金融緩和に動かなければ政権との緊張が一段と高まる恐れがありますreuters.comreuters.com。
原油市場では、中東情勢の緩和と産油国の増産観測が重なり価格が大きく下落しました。OPECプラス産油国が8月に日量41.1万バレルの増産を計画していると報じられ、27日の取引では一時急落する場面がありましたreuters.com。イスラエルとイランの間で米国仲介の停戦合意が成立し、中東リスクが後退したことも供給過剰への懸念を強めていますreuters.com。北海ブレント原油先物価格は週末時点で1バレル=67.77ドル付近と、週間では約12%安と2023年3月以来の大幅な下げ幅を記録しましたreuters.com。戦争リスクの高まりで一時80ドルを超えていた原油価格は、停戦と増産見通しにより急速に押し戻され、エネルギー市場は需給ファンダメンタルズ主導の展開に回帰しつつあります。
27日の米国株式市場で主要株価指数が史上最高値を更新しました。S&P500指数は前営業日比+0.7%高の6,182ポイントまで上昇し、今年2月に記録した過去最高値(6,147ポイント)を上回りましたreuters.com。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同+0.5%高の20,274ポイントと、昨年末の高値(20,204ポイント)を更新しましたreuters.com。背景には年内の利下げ開始を織り込む動きや、前述のイラン・イスラエル停戦合意による地政学リスク緩和があり、投資家のリスク選好姿勢が強まりましたreuters.com。春先にはトランプ大統領の関税発動で株価が急落する局面もありましたが、その後の米中貿易協議進展やインフレ鈍化も追い風となり、市場は「弱気相場」を克服して力強い反発を遂げていますreuters.comreuters.com。
世界第2位の経済規模を持つ中国では、景気減速に対応するため金融政策の機動性を一段と高める方針が示されました。中国人民銀行(中央銀行)は27日、四半期に一度の金融政策委員会声明で「国内外の経済・金融情勢に応じて政策の実施ペースと強度を調整する」と表明しましたreuters.com。トランプ米大統領による対中関税の強化や国内の物価下落(デフレ)圧力により、中国経済は今年に入り需要不足と物価低迷という課題に直面していますreuters.com。人民銀行は5月にも政策金利引下げや大規模な資金供給など景気テコ入れ策を実施しており、今後も「より前倒しで効果的な」金融緩和措置を講じる姿勢ですreuters.com。7月の共産党政治局会議や年後半の重要会議(5カ年計画を議論する全体会議)に向けて追加刺激策への観測も強まっており、金融機関に対して信用供与拡大や融資コスト低減を促すなど、当局は内需下支えに注力する構えを見せていますreuters.comreuters.com。
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