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AI半導体熱が再燃。エヌビディア好決算でS&P500・ナスダックは週間+2%前後の続伸──ただしトランプ政権の対中追加関税示唆が上値を抑え、テック株は波高し。
米4月PCEでインフレ鈍化が鮮明、10年債利回りは4.6%→4.4%へ低下。FRB高官は「利下げは遠い」と牽制し、市場は“緩和期待”と“長期高金利”の綱引きへ。
ドル/円は144円近辺で膠着。日銀の緩和長期化と米金利低下が拮抗し、円安基調は一服も方向感はなおドル高優位。
ビットコインは史上高値11万ドル台から調整、現在10万4千ドル前後。ETFマネーの再流入か、利益確定売り続行か——デジタルゴールドの押し目攻防に注目。
WTI原油は60ドル台前半で小動き。OPECプラス前倒し会合で7月以降の増産シナリオが浮上し、需給観測が交錯する中、安値圏でも下値は堅い展開。
先週の金融市場は、米中貿易摩擦の再燃懸念とハイテク企業の好決算・経済指標の改善が交錯し、資産クラスごとにまちまちな値動きとなりました。米国ではトランプ政権が対中関税を巡って強硬姿勢を見せた一方で、半導体を中心とするハイテク株の好調な業績やインフレ指標の改善が投資家心理を支えました。以下、主要な指数や金利、資源価格の動きを振り返ります。
米国株式市場では主要指数が週を通じて総じて上昇基調となりました。週明け(米国市場は5月26日がメモリアルデー休場)直後の5月27日(火)は、トランプ大統領が欧州連合(EU)向け関税賦課を当面見送ると発表したことを好感し、S&P500種指数が前週から約+2%急騰、ナスダック総合指数も+2.5%の上昇となりましたinvestopedia.cominvestopedia.com。電気自動車メーカーのテスラ株が7%近い上昇となり、またAI半導体大手のエヌビディア株も3%超上昇するなどハイテク・グロース株が牽引しましたinvestopedia.com。一方、週央の5月28日(水)は翌日に控えたエヌビディア決算への警戒感から利益確定売りが出て、S&P500とNYダウ平均がともに-0.6%下落、ナスダックも-0.5%の小反落となっていますinvestopedia.com。
5月29日(木)になると、エヌビディアの四半期決算が市場予想を大きく上回る好内容(AI需要による売上急増)だったことが伝わり、ハイテク株中心に買い直されました。S&P500指数もこの日は+0.4%上昇し、ナスダック総合も小幅上昇bloomberg.com。しかし週末の5月30日(金)には再び米中貿易を巡る懸念が浮上します。トランプ大統領が中国が合意に違反しているとSNS上で主張し、中国ハイテク企業への制裁強化も報じられたため、日中はハイテク中心に売りが広がりましたbloomberg.co.jp。一時S&P500指数は前日比-1.2%安まで下落しましたが、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との対談に言及すると下げ渋り、結局S&P500は前日比-0.01%のほぼ横ばい、ナスダック総合指数は-0.3%安、ダウ平均は+0.1%高で取引を終えましたinvestopedia.com。週単位では主要3指数とも上昇を確保し、S&P500とナスダックはそれぞれ約+2%前後の週間上昇となりました。また5月単月では、S&P500が+6.2%, ナスダックは+9.6%と2023年11月以来の大幅高を記録していますinvestopedia.com。米中間の関税交渉に対する不透明感は残るものの、貿易摩擦に関する報道に市場が一喜一憂する展開が続き、同時に企業業績や経済指標の改善が下支えする形となりましたbloomberg.co.jpinvestopedia.com。日本株も米株の流れに連動し、日経平均株価は一時38,000円目前まで上昇する場面がありました。しかし週末にかけては米国株の上値停滞や円相場の小幅な円高進行もあり上昇が一服し、週末5月30日(金)の東京市場では日経平均は前日比-1.2%安の37,965円で引けていますindexes.nikkei.co.jp。それでも日本株全体としては依然高水準を維持しており、特に内需系グロース株の堅調さが目立つ展開でした。
先週、米国債市場では長期金利が低下基調を辿りました。米10年国債利回りは週末時点で約4.40%と、前週に付けた一時4.63%(3ヶ月ぶり高水準)から低下していますinvestopedia.com。前週までの利回り急上昇は、歳出拡大による財政赤字拡大懸念から米国債が売られたことが一因でしたinvestopedia.com。しかし先週は、4月の米個人消費支出(PCE)物価指数が市場予想以上に低下しインフレ鈍化傾向が確認されたほかinvestopedia.com、ミシガン大学消費者マインド指数でも長期インフレ期待の低下が示されましたinvestopedia.com。こうしたインフレ圧力の緩和は早期の金融緩和期待につながり、安全資産である米国債への買い戻しを誘発しています。また、米株式市場の不安定な値動きに対するリスク回避の債券買いもあって、長期債利回りは週半ば以降じりじりと低下しました。結果として長短金利差(逆イールド)は依然大きいものの若干縮小し、2年債利回りも低下しています。総じてFOMCによる追加利上げ観測は後退しつつありますが、一方でタリフ(関税)による物価押し上げ懸念も残るため、FRB高官らは慎重なスタンスを崩していません(ダラス連銀のローリー・ローガン総裁は「利下げには相当な時間がかかる可能性が高い」と述べるなど、高金利の長期化を示唆しています)bloomberg.com。
暗号資産市場では、ビットコイン(BTC)価格が調整局面となりました。週初時点で1BTC=約106,000ドル前後だったビットコインは先週後半にかけて売りが優勢となり、5月30日(金)午後時点で104,600ドル前後まで下落しましたinvestopedia.com。これは一週間前に記録した過去最高値の112,000ドル超から見ると約7%の下落幅ですinvestopedia.com。ビットコインは5月中旬にかけて機関投資家の参入期待や半減期を見据えた思惑から急騰し、年初来の最高値を更新していました。しかし先週は、それまで材料視されていた大型カンファレンスの終了や、米株市場の乱高下に伴う利益確定売りに押される形で調整が入りましたnote.com。また米長期金利低下により一時的にドルが売られる場面もあり、資金流入が一服したことも上値の重しとなったようです。もっとも、ビットコイン価格は依然10万ドル台を維持しており、前年からの大幅上昇トレンドは生きています。市場では「デジタルゴールド」としてインフレヘッジや安全資産的な側面への期待も根強く、調整局面後も中長期的な強気基調は保たれるとの見方が多いようです。
為替市場では、円相場(対米ドル)は先週大きなレンジではほぼ横ばいでした。ドル/円レートは週初に1ドル=144円前後で推移し、米金利低下を背景に一時143円台半ばまで円高が進みましたが、その後は米株高に伴うリスク選好の円売りも出て再び144円台後半までドル高・円安方向に振れる局面もありましたbloomberg.co.jp。結局、5月30日(金)NY市場終盤では1ドル=144.00円近辺と、週間を通じてほぼ変わらない水準で引けましたbloomberg.co.jp。円相場は米国の金利動向や市場のリスク志向に敏感に反応しています。先週は米長期金利の低下が円を下支えする一方、米株高・ビットコイン高に象徴される投資家のリスク許容度改善が円の上値(円高)を抑える格好となりました。また日銀の金融政策スタンスについては、大規模緩和継続の姿勢が改めて示されており(日銀4月会合議事要旨でイールドカーブ調整に慎重な姿勢が確認)、日米金利差拡大が円安方向の圧力となり続けています。総じて円安トレンドの長期化が意識されるものの、地政学リスクや米景気後退懸念が高まる局面では一時的に円高方向への振れも生じやすく、今後も144円前後での攻防が続きそうです。
先週の原油市場では、WTI原油価格が1バレル=60ドル前後で概ね横ばい推移しました。米祝日明けの取引となった5月26日(月)時点でWTI先物は$61.5前後(前日比変わらず)で、週を通じてほぼこの水準を維持しましたreuters.com。週初は低調な取引でしたが、トランプ大統領がEU向け追加関税の発動を先送りし貿易交渉期限を延長したとのニュースが伝わると、エネルギー需要減への懸念が和らいで原油価格の下支え要因となりましたreuters.com。一方で、増産・減産を主導するOPECプラス産油国の政策を見極めたいとの思惑から様子見ムードも強まりました。実際、サウジアラビアなど追加自主減産に合意した8カ国によるOPECプラス会合が当初予定より前倒しで5月31日に開催され、7月以降の増産方針が話し合われる見通しとの報道もありましたreuters.comreuters.com。こうした不透明感から市場参加者は積極的な売買を手控え、WTI価格は大きな方向感なく推移しています。週末時点のWTI先物終値は$60.75付近となり、週初からほぼ変化がありませんでしたinvestopedia.com。現在のWTI価格水準は、4月以降の中国経済指標の伸び悩みや米国・欧州の景気減速懸念を織り込んで年初来の安値圏にあります。ただし主要産油国による減産強化の思惑も残っており、原油相場は当面60ドル前後での下げ渋りが続くとの見方が有力です。
来週は米国の重要経済指標の発表やFOMC関係者の発言が相次ぎ、マーケットの焦点が景気と金融政策の行方に当たります。日本時間でのスケジュールを以下にまとめます。
以上のように、来週は米国の雇用統計をはじめ複数の重要イベントが控えており、市場のボラティリティ上昇も予想されます。投資家にとっては経済指標や要人発言の内容を精査しつつ、リスク管理を徹底することが求められる局面と言えるでしょう。bls.govinvestopedia.com
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