2026年1月22日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

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トランプ大統領が欧州向け関税の撤回を表明。貿易戦争懸念が後退し、株式市場は急反発となりました。


米長期金利は前日の急騰から一転して低下。関税リスク後退でインフレ警戒が和らぎ、債券買いが戻っています。


欧州ではSAP株が大幅安。生成AIの進展が既存ソフト事業を揺さぶり、テック株全体の評価見直しが進んでいます。


ビットコインは9万ドル台を回復。リスクオフ一巡後の自律反発ながら、依然としてマクロ要因への感応度は高い状況です。



2026年1月22日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

市場動向(1月21日)

S&P500指数は6,875.62と前日比+1.16%の大幅高となりました。トランプ米大統領が欧州諸国に課すと脅していた関税を撤回し、グリーンランドを巡る対立で新たな貿易戦争が回避されるとの安心感が広がったためです。前日に大きく下落していた米株式相場はこの発表を受け急反発し、主要指数は前日失った分の大半を取り戻しました。

ナスダック総合指数も23,224.82と前日比+1.18%上昇しました。米欧間の通商摩擦懸念が和らいだことでハイテク株にも買い戻しが入り、相場全体がリスク選好ムードに転じました。決算発表で好調な見通しを示した企業もあり、景気減速懸念が後退したことも投資家心理の改善につながっています。

米国10年債利回りは4.253%と前日比で約1%低下しました。前日に将来のインフレ加速懸念から急騰した反動で、この日はトランプ大統領の関税撤回表明によりインフレリスクが後退したことが背景です。加えて、前日に記録的高水準へ跳ね上がっていた日本の長期国債利回りが落ち着きを見せたことも米国債の買い戻しを促しました。

暗号資産市場ではビットコイン(BTC)価格が1BTC=90,109ドル前後と過去24時間で+0.6%上昇しました。20日までの株安・金利上昇局面ではリスク回避の売りに押され一時9万ドルを割り込みましたが、米国の関税撤回に伴う市場心理の改善で下げ止まり、90,000ドル台を回復しています。前日までの急落で年初来の上昇分を消す場面もありましたが、貿易摩擦リスクの緩和とともに買いが優勢となりました。

本日の主要ニュース

トランプ大統領、グリーンランド巡る関税脅しを撤回 株価急反発

トランプ米大統領は21日、デンマーク領グリーンランドの獲得を巡って欧州諸国に課すと警告していた関税を撤回すると表明しました。欧州連合(EU)の同盟国8か国(英国を含む)に対し2月1日から10%の関税を課す計画でしたが、「NATOを通じたグリーンランドに関する将来の枠組み合意」ができたとして発動を見送る考えを示したものです。前日にはこの関税脅しを受けて米株式市場が3カ月ぶりの急落となり、安全資産の米国債利回りも急騰していました。しかしトランプ大統領が関税撤回に転じたことで貿易戦争再燃への不安が後退し、21日の米国市場ではダウ平均株価が前日比588ドル高となるなど主要指数が軒並み急反発しました。米長期金利も前日の上昇分をほぼ打ち消す水準まで低下し、金融市場全般が落ち着きを取り戻しています。

SAP株17か月ぶり安値、AI懸念でソフトウェア株売りが拡大

欧州最大のソフトウェア企業である独SAPの株価が21日、2024年8月以来およそ1年5か月ぶりの安値水準に沈みました。昨年2月の史上最高値から約1300億ドル相当の時価総額が失われた計算で、これはAI(人工知能)技術の進歩が既存ソフト事業にもたらすリスクへの警戒感が背景にあります。生成AIの台頭で企業向けソフトウェアの一部機能が容易に代替されるとの見方から、欧米のソフト株に数ヶ月前から断続的な売り圧力がかかっています。多くのアナリストはSAPの長期成長見通しに強気を保つものの、サービスの価値低下への不安は拭えず、同社にはクラウドなど新分野への迅速な戦略転換が求められています。実際、米国のソフトウェア株指数も年初来で7%超下落しており、市場はAIがもたらすビジネスモデル変革を織り込もうとしているようです。

EU・南米の大型貿易協定、欧州議会が司法審査要求 発効に遅れも

EU(欧州連合)と南米メルコスール諸国が約25年の交渉を経て締結した史上最大規模の自由貿易協定が、欧州議会の動きにより暗礁に乗り上げています。欧州議会は21日、このEU・メルコスール協定を欧州司法裁判所に諮問し、協定の一部を加盟国すべての批准前に適用できるかやEUの環境規制権限との両立性について判断を仰ぐことを決議しました。司法判断には約2年を要する見通しで、その間この協定の発効は遅れる可能性があります。ドイツやスペインなど推進派は、米トランプ政権による保護主義的な通商政策への対抗策および対中国依存低減の観点から本協定を戦略的に重要だと位置付け、早期発効を求めています。一方、フランスなど農業国を中心とした反対派は、南米産の安価な農畜産物の流入が自国農家を圧迫する懸念を訴えて協定に反対してきました。今回の欧州議会の決定にフランス農業団体は「我々の勝利だ」と歓迎しており、欧州委員会は加盟国や議会と協議の上で対応を検討すると表明しています。

ウクライナ和平合意「間近」とトランプ大統領が示唆

ドナルド・トランプ米大統領は21日、スイス・ダボスで開催中の世界経済フォーラムで、ロシアとウクライナの戦争を終結させるための合意について「合理的に近い」(かなり近い)段階にあるとの見方を示しました。トランプ大統領は壇上で「双方(ロシアとウクライナ)は今なら歩み寄って合意できると思う。もしできなければ彼らは愚かだ」と発言し、同日中にウクライナのゼレンスキー大統領と会談する予定であることも明らかにしました。長引くウクライナ戦争を巡り米国が仲介に本腰を入れ始めた格好で、実現すればエネルギー市場や世界経済にも大きな影響を及ぼす可能性があります。現時点で正式な和平合意が成立したわけではありませんが、米大統領自ら終戦への具体的な道筋に言及したことで、市場も今後の展開を注視しています。


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