日銀の政策金利引き上げに伴う当座預金の付利増加は、日本銀行の財務において大きなコスト増要因となっています。
1. 日銀の利上げと当座預金への影響:日銀は2023年7月と2024年1月に政策金利を段階的に引き上げ、現在は 0.5%程度です。この政策金利に連動して、金融機関が日銀に預けている当座預金の「超過準備」部分に対する付利(=日銀から銀行への利息支払い)も 0.5% となりました。
超過準備とは? 金融機関は、日銀に法定準備以上の資金(超過準備)を預けています。通常、これに対する利子(付利)は低水準だったが、金利引き上げで日銀の利払い負担が急増します。
2. 支払利息の急増(2024年度決算):2022年度末は金利水準は0%で金融機関への支払い利息は1,887億円でした。2023年度末は0.5%程度で利息は1兆2,517億円で前年から6.6倍に増加しています。
これは2つが主因です。金利引き上げによる付利率の上昇。金融機関の超過準備残高が高水準にあること(=利払い対象が大きい)
3. 今後の見通しとリスク:支払利息は今後さらに増加する可能性があります。日銀が更なる利上げを行えば、付利金利も上昇します。超過準備残高がすぐに減らない限り、支払利息=コストは増大します。
4. 日銀の「当期剰余金」への影響:当期剰余金とは民間企業で言う「最終利益」に相当します。日銀の利益の多くは 国債利息収入や ETF配当金等です。しかし、支払利息が増加すると、日銀の利益を圧迫し、当期剰余金が減少します。
2024年度は、ETFの含み益減少(37兆→32兆)や、国債の評価損(約28兆円)とも合わせて、収益構造に大きなダメージを与えています。
仮に日銀が金利を1%に上昇させると、2.5兆円程度に達し、当期余剰金は完全に赤字化します。日銀が債務超過状況に陥り、更に拡大し、そして投機余剰金が赤字化となると、いよいよ円は危ういように思いますね。
このあとはとにかく日本、アメリカ、そして世界の債務状況をしっかりと理解し、備える必要があります。紙幣が本当に価値がなくなっていきます。BTC,金、銀ですね。
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