日本の財政問題(金利急上昇、国債含み損急増)、アメリカの財政問題(利払い費用急増で火の車)にばかり注目していましたが、世界全体でみても酷い状況で、金融市場全体に対してリスクが高い状況にあると考えるべきです。
世界の債務が2025年時点で324兆ドルに達したことは、単に規模の大きさという点だけでなく、それがもはや現代金融システムの基盤、すなわち「担保インフラ」として機能している点において、より深刻な問題を孕んでいます。
国債はレポ市場において現金同様の価値を持つと見なされており、いわば「準マネー」として金融取引の中心的な役割を担っています。そのため、国債価格の信認が崩れた場合、システミックリスクが連鎖的に顕在化し、世界経済全体を大きく揺るがすおそれがあります。
過去5年間の世界の債務総額の推移を振り返りますと、2020年には約226兆ドルだった債務が、パンデミック対応による大規模な財政出動により2021年には一時的に303兆ドルまで急増しました。
その後は若干減少したものの、2024年には再び増加し、約322.9兆ドルに達しています。これは世界GDP比で327%に相当する水準であり、かつてないほどの債務依存状態が続いています。
同時に、各国の政策金利も大きく変動しています。2020年から2021年にかけては、世界的なゼロ金利政策が続いており、平均金利は0.25〜0.5%と非常に低い水準にありました。
しかし2022年以降、インフレ圧力に対応する形で、各国中央銀行は相次いで利上げを実施し、2024年には主要国の平均政策金利は4.5%前後に達しています。
この急激な金利上昇は、債務者にとって利払い負担の増加を意味します。特に開発途上国においては、2021年時点で利払い費用が670億ドル、政府歳入に占める割合は約8%であったのに対し、2023年には847億ドル、歳入比で10%以上にまで上昇しています。
このような傾向は、教育・医療・インフラなどの基礎的な公共サービスへの支出を圧迫し、財政の持続可能性を大きく損ねています。
また、金融市場においては、国債がレポ市場やデリバティブ取引の担保として広範に活用されているため、金利上昇による国債価格の下落は、金融機関の担保評価を引き下げ、信用収縮や資金繰りの逼迫といった形でリスクを連鎖的に拡大させる恐れがあります。
このような構造は、リーマン・ショックの時期以上にシステム全体が債務の信認に依存していることを示しており、一度バランスが崩れれば、その影響は広範囲かつ深刻に波及する可能性が高いです。
過去5年間にわたって世界の債務は拡大の一途をたどっており、それに伴って金利と利払いコストも劇的に増加しています。この状況は、金融・財政の両面でリスクを高めており、特に脆弱な国々では既に警戒すべき水準に達しています。
中国の途上国に対しての貸付の多くが払えない状況に陥り、中国が担保としての権利を抑える。まずはこれは考えられます。
アメリカ国債の買い手がますます不在になる。継続的にアメリカ国債の金利は上昇し、それに引っ張られる形で日本国債の金利も上昇。
株式市場は急落時場面では急落という展開につながります。 実はリーマンショック前よりも今は金融市場全体がリスクが高いように思いますね。油断せず市場に向き合いましょう。
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