金(ゴールド)の価格は、年初来を含め過去にも幾度か大きな変動を見せており、その都度「押し目買い」の好機が訪れてきました。では、その「押し目」とは、どの程度の下落率で判断すべきなのでしょうか。過去のデータとテクニカル分析に基づいて、押し目の判断基準を明らかにしていきます。
過去5年間における金価格の推移を分析すると、価格が一時的に下落したあと再び上昇する「押し目」の局面は、一定の下落率の範囲に収まっていることが分かります。具体的には、以下のような傾向が見られました。
押し目時の平均下落率は約6.5%で、実際の下落幅はおおむね5.2%~8.9%の範囲に収まっています。
押し目形成にはおよそ10日から3週間程度の期間がかかることが多く、年間では平均して約4回ほど押し目のチャンスが訪れているとされます。
たとえば2025年5月2日前後には、直近高値からおよそ5.5%下落したタイミングで反発に転じており、これが押し目の一例です。
このような過去のデータを参考にすると、「直近高値から5%~9%程度下落した局面」が、買いを検討する目安になると言えるでしょう。
押し目買いのタイミングを見極めるためには、単に下落率を見るだけでなく、テクニカル指標を活用することが効果的です。特に次のような指標が参考になります。
移動平均線(25日線など):上昇トレンド中に価格が移動平均線まで一時的に下落し、その後反発する場面は、典型的な押し目とされます。
トレンドライン:安値同士を結んだサポートラインに価格が接触し、反発に転じるケースも買いのシグナルとみなされます。
フィボナッチ・リトレースメント:高値からの下落幅が23.6%や38.2%といったフィボナッチ水準に到達し、そこから反発する場面も、テクニカル上の押し目として注目されます。
これらの指標は単独で使うのではなく、複数を組み合わせて総合的に判断することで、より信頼性の高い押し目のタイミングを見極めることが可能です。
押し目買いを検討する際には、以下の3つの条件が目安となります。
① 価格が直近高値から5%~9%下落していること
② 下落期間が10日~3週間程度であること
③ 移動平均線やトレンドライン、フィボナッチ水準などのテクニカル指標がサポートを示していること
ただし昨年後半からは常に金の価格は強含みになっていますので、過去5年での押し目よりもその幅は小さいと考えた方が良さそうです。米国ドルからのリスク回避の世界各国の流れは今後も変わらず、常に金は買われる状況にあると考えられるからです。
新しいプラットフォームでは金の押し目買いポイントを見極めるアプリもアップしていきます。こちらもご期待ください。
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