今ちょうど、黒木亮氏のトリプルAという格付け会社の小説を読み直しています。ムーディーズやS&PがCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)をひとまとめにしたCDOのバブル崩壊も書かれていますが、実は今それに近い状況の金融市場があります。
アメリカのプライベートクレジット市場なのですが、2025年時点で約1.67兆ドル(約250兆円)に達し、2030年には2.9兆ドルに拡大すると予測されています 。この市場は、銀行による融資の減少を背景に、ノンバンクやプライベートファンドが中小企業への直接融資を行う形で急成長しています 。
格付けの問題と破綻リスク:プライベートクレジット市場の拡大に伴い、格付けの信頼性に対する懸念が高まっています。特に、イーガン・ジョーンズ・レーティングスのような小規模な格付け会社が、限られた人員で多数の案件に格付けを行っていることが問題視されています 。このような状況は、2008年のリーマンショック時に問題となった格付けの甘さと類似しており、金融市場の安定性に対するリスク要因となっています。
リーマンショックとの比較:現在のプライベートクレジット市場の状況は、リーマンショック時といくつかの点で共通しています。例えば、信用力の低い借り手への融資が増加し、格付けの信頼性が低下している点です。しかし、現時点では市場全体の破綻リスクが顕在化しているわけではありません。ただし、景気の減速や金利の上昇が続く場合、企業の信用リスクが高まり、プライベートクレジット市場にも影響が及ぶ可能性があります 。
今後の展望:プライベートクレジット市場は、今後も成長が期待される一方で、格付けの信頼性や借り手の信用リスクに対する懸念が続くと予想されます。投資家や金融当局は、これらのリスクを十分に認識し、適切なリスク管理と規制の強化を進める必要があります。
以上のように、プライベートクレジット市場は成長を続ける一方で、格付けの信頼性や借り手の信用リスクに対する懸念が存在します。
この市場が単独で破綻するというよりも、アメリカの国債金利が急騰し、金融市場が混乱化した時にデフォルト率が急上昇し、格付けの信頼性が大いに失われ、それがさらに負のスパイラルを巻き起こすと予想しています。
さて、これがいつくるか?これもくるか来ないかではなく、時間の問題だと思います。
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