
中東諸国やBRICS諸国を中心に、原油取引や国際貿易における「ドル離れ」が進行しています。
これは、ウクライナ戦争に関連したアメリカの経済制裁が引き金となり、ドルを保有するリスクへの懸念が高まったためです。
🌍 ドル離れの背景と動機
経済制裁への懸念: ウクライナ戦争以降、アメリカがドルを用いた経済制裁を強化したことで、ドルを保有するリスクが顕在化しました。これにより、中東諸国やBRICS諸国はドル以外の通貨での取引を模索するようになりました。
ペトロダラー体制の揺らぎ: 1970年代以降、原油取引は主にドル建てで行われてきましたが、近年ではこの体制に変化の兆しが見られます。特に、サウジアラビアがドル以外の通貨での石油取引に前向きな姿勢を示しています。
🛢️ 中東諸国の動向
サウジアラビア: 世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアは、2023年1月にドル以外の通貨での石油取引に関する協議にオープンであると表明しました。これは、人民元やユーロ、サウジ・リヤルなどでの取引を含む可能性があります。
中国との関係強化: サウジアラビアは、中国との経済的な結びつきを強化しており、人民元建ての原油取引の可能性も浮上しています。また、中国主導の中央銀行デジタル通貨(CBDC)プロジェクトにも参加しています。
🌐 BRICS諸国の動向
中国とブラジル: 2023年3月、中国とブラジルは自国通貨での貿易や金融取引を行う仕組みを設けることで合意しました。これは、ドル依存からの脱却を目指す動きの一環です。
ロシアとインド: ロシアから石油を輸入するインドの企業は、取引の大半をアラブ首長国連邦(UAE)のディルハムやロシアのルーブルなど、ドル以外の通貨で決済しています。
BRICS通貨構想: BRICS諸国は、共通通貨の創設や独自の決済ネットワークの構築を模索しています。これにより、ドルへの依存を減らし、経済的な主権を強化することを目指しています。
📊 ドルの国際的地位
国際決済銀行(BIS)の調査によると、2022年4月時点での外国為替市場における米ドルの取引高シェアは44.2%であり、依然として高い水準を維持しています。しかし、ユーロや日本円、人民元など他の通貨のシェアも徐々に増加しており、取引の多様化が進んでいます。
ちなみにBISの調査は3年毎ですので、次回の国際決済銀行(BIS)による「三年毎調査(Triennial Central Bank Survey)」の結果発表は、2025年10月31日に予定されています。
もしその時にドル離れが明確に数字となって現れるようだと、それが起点となり、更なるドル離れが起こる可能性があります。まだここまでは5ヶ月半の猶予があります。
USDにペックしたステーブルコインの浸透、トランプ政権による諸外国のアメリカ投資。これらのドル需要と、ドル離れの綱引きは継続して慎重に見ていく必要があります。米国債金利にも大きく影響を与えることになりますから。
ドル離れが進むと、アメリカ経済は以下のリスクに直面します。
① ドル安によるインフレ圧力。
② 米国債の需要減少による金利上昇。
③ 金融市場のボラティリティ上昇。
④ FRBの政策運営の難易度上昇。
⑤ 国際的影響力の低下。
特に、アメリカの金融市場は国際資本の流出リスクに直面し、ドルの信頼性低下が株式市場や国債市場に悪影響を及ぼす可能性があります。
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