FRBベージュブックは経済活動の横ばいと雇用鈍化を指摘。市場では年内追加利下げ観測が一段と強まっています。

欧州株は米利下げ期待とテック株高が支え、3日続伸。リスク選好の改善で半導体やソフトウェアに買いが集まりました。

トランプ政権でハセット氏が次期FRB議長候補に急浮上。緩和寄り姿勢が意識され、株高・金利低下の流れを後押ししています。

日銀は急速な円安を受け年内利上げを示唆。金利市場は反応し5年債利回りが17年ぶり高水準に上昇するなど緊張感が強まっています。

2025年11月27日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

直近24時間の市場ダイジェスト

• 株価指数：S&P500が6,812.61（前日比+0.69%）、ナスダック総合指数が23,214.69（同+0.82%）でともに上昇しましたwral.comwral.com。直近の相場反発局面で、半導体やソフトウェアなどテクノロジー株がけん引したことが背景です。
• 米国債利回り：10年物国債利回りは約3.9980%（同-0.10%）と低下しましたwral.com。FRBの年内利下げ観測がくすぶる中、安全資産である米債への買いが入り、利回りが下がりました。
• ビットコイン：BTCは1ビットコイン約8.8万ドル前後で推移し、前日比では+3.59%程度の上昇となりましたbloomberg.com。先週からの急落が一服し、投機筋の買い戻しが観測されています。

米FRBベージュブック：経済活動横ばい、雇用鈍化

11月25日に公表された連邦準備理事会（FRB）のベージュブック（地区連銀経済報告）によると、米国経済は「おおむね横ばい」ながら、一部地区では経済活動の小幅な落ち込みも見られ、約半数の地区で雇用需要の鈍化が報告されましたhi99.com。消費支出も低迷しているとされ、43日間に及んだ政府機関閉鎖の影響が底流にある模様ですhi99.com。こうした内容は、米労働市場の弱含みを示唆し、市場では「12月会合で追加利下げの可能性が高まった」と受け止められていますhi99.comhi99.com。実際、利下げ期待を映す資金調達市場では、12月の利下げ確率が80%超に跳ね上がっています。

欧州株上昇：米利下げ観測でテック株が主導

26日の欧州市場では、STOXXヨーロッパ600指数が前日比+1.06%上昇し３営業日続伸となりましたreuters.com。主導したのはテクノロジー株で、半導体関連株やソフトウェア株が2%超の上昇reuters.com。背景には「米国の利下げ観測が強まるにつれリスク選好が高まった」ことがありreuters.com、世界的な買いが広範囲に波及しました。また、英国ではレイズ財務相が法人税減税を見直し高所得者増税などを盛り込んだ歳入拡大型の予算案を発表し、銀行株が堅調でしたreuters.comreuters.com。さらに、ウクライナ情勢では和平交渉進展への期待も株式市場を下支えしており、防衛関連株も物色されていますreuters.comreuters.com。

ハセット氏浮上：次期FRB議長候補に

米ホワイトハウスの経済顧問ケヴィン・ハセット氏が、トランプ大統領の次期FRB議長最有力候補として浮上したと報じられましたreuters.comreuters.com。ブルームバーグ紙が関係者筋の話として報じたところによると、年末までに新議長指名が行われる可能性が高まり、ハセット氏が有力視されているという内容ですreuters.com。この報道を受け、投資家の間では「利下げを積極的に支持するハセット氏であれば金融緩和に前向きになる」との思惑から株高・ドル安の動きが強まりました。

日銀、円安受け年内利上げ示唆

日本銀行（BOJ）は、急速な円安進行を受けて、12月会合での利上げを念頭に置いた発言を強めていますreuters.com。複数の関係者によれば、黒田総裁就任以来ほとんど聞かれなかった「年内利上げ」の可能性に言及し始め、国内金利市場では5年債利回りが17年ぶり高水準に急騰しましたreuters.comreuters.com。上田総裁も「次回会合の議論に盛り込む」と発言しreuters.com、従来の緩和スタンスから一転してタカ派の姿勢を示しています。円安による輸入物価上昇圧力を懸念しつつ、米金利動向との兼ね合いを見ながら、年内利上げに含みを残した格好です。