米国政府閉鎖のリスクが高まり、トランプ政権は一部職員を恒久削減する可能性を示唆しました。議会との対立が金融市場にも波及しています。

インテルがアップルに出資要請。すでに政府・NVIDIA・ソフトバンクが参画しており、再建に向けた次の一手に注目が集まります。

TikTok米国事業の分離案をトランプ政権が承認。米投資家主導の新会社設立で、中国との摩擦に一応の決着が見え始めました。

中国は安値輸出攻勢を強め、黒字は過去最高水準へ。米国関税圧力の中、欧州との協調を模索する動きも出ています。

2025年9月26日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

市場指標の24時間動向

米国株式市場は弱含みとなり、S&P 500指数とナスダック総合指数はいずれも前日比で約0.5%の下落となりましたfinimize.com。一方、米10年債利回りは4.17%まで上昇し、数週間ぶりの高水準を付けていますfinimize.com。安全資産である国債利回りの上昇を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、株式や暗号資産から資金が流出しましたfinimize.com。暗号資産市場も株式市場と歩調を合わせて下落し、ビットコイン価格は一時1BTC=109,000ドルを割り込み、過去24時間で約3.8%の下落となっていますcoindesk.comfinimize.com。



本日の注目ニュース（英語圏主要メディアより）

米政府閉鎖リスク高まる – トランプ政権が恒久解雇を示唆

米国で10月1日からの政府閉鎖（一部機関停止）の懸念が一段と高まっています。トランプ政権は下院共和党によるつなぎ予算案が上院民主党の反対で否決されたことを受け、予算が途切れた際には一部連邦職員を一時解雇ではなく「恒久的に」削減する可能性を示唆しましたreuters.comreuters.com。ホワイトハウス管理予算局（OMB）は各省庁に対し、予算未承認の場合に停止する事業とその人員削減計画の提出を指示し、職員への通知準備を求めていますreuters.comreuters.com。民主党側はこの動きを「脅しによる交渉圧力」と非難し（シューマー院内総務の発言: 「民主党が要求する医療予算削減の撤回なしには暫定予算に応じない」と強調reuters.comreuters.com）、対立が深まっています。仮に政府閉鎖となれば、経済指標の公表遅延や規制当局の人員削減による市場監視機能の低下が懸念され、IPO承認の停止や金融市場データの遅延など広範な影響が予想されていますreuters.comreuters.com。市場では不透明感から債券利回りの上昇や株式の下落要因としてこの政治リスクが意識され始めています。

インテル、アップルに出資要請 – 政府・NVIDIA出資に続く再建策

米半導体大手インテルが業績不振からの立て直しに向け、アップルに対し資本参加を打診したことが報じられましたreuters.com。インテルはAI時代の競争でNVIDIAやAMDに後れを取り、工場建設資金や技術提携のため外部資本を求めていますreuters.com。8月にはホワイトハウス主導で米政府がインテル株の10%取得と約100億ドルの補助を決めreuters.com、続いて今週にはNVIDIAが約50億ドルでインテル株式の4%を取得し、PC・データセンター向けチップを共同開発する提携も発表されましたreuters.com。さらにソフトバンクも先月に20億ドルを出資しておりreuters.com、これら異例の資金注入を受けてインテル株は8月半ば以降40%以上上昇していますreuters.com。アップルとの協議は初期段階で合意に至る保証はないもののreuters.com、実現すればアップルは自社チップの製造拠点多角化（台湾TSMC依存の緩和）につながり、米国政府との関係強化にも資する可能性がありますreuters.com。インテルにとってもアップルという大口顧客・パートナーを得られれば、受託生産（ファウンドリー）事業の拡大や技術革新の後押しとなり、復活への大きな支援票となると期待されていますreuters.comreuters.com。

TikTok米事業、米投資家主導で分離へ – トランプ政権が売却計画を承認

トランプ大統領は25日、動画共有アプリ「TikTok」の米国事業を中国の親会社ByteDanceから切り離し、米国主導の新会社とする計画に正式署名しました。この計画は2024年制定の対TikTok安全保障法の要件を満たすもので、TikTok禁止措置の発動期限は今年12月16日まで延長され、その間に売却完了と中国政府の承認を目指しますreuters.com。新会社の評価額は約140億ドル（約1.4兆円）とされ、副大統領のJ.D.ヴァンス氏によれば著名投資家のマイケル・デル氏（デル創業者）やルーパート・マードック氏（メディア王）らが出資者に名を連ねる見通しですreuters.comreuters.com。トランプ大統領は、中国の習近平国家主席とも直接協議し「彼も進めて良いと言った」と述べており、中国側も容認する姿勢を示したことを明らかにしましたreuters.comreuters.com。TikTokは米国内で1億7千万超のユーザーを抱えreuters.com、トランプ氏自身も大統領選での若年層取り込みにTikTokを活用した経緯があります。今回の措置により「TikTokの運営は完全に米国主導になる」と強調しておりreuters.com、米中対立の象徴だった同社を巡る安全保障上の懸念に一応の決着がつく形です。ただし売却後も中国との関係遮断が十分か、議会共和党から詳細開示と検証を求める声も出ていますreuters.com。

中国、対米関税下で輸出攻勢 – EUと協調し貿易摩擦緩和探る

米トランプ政権による対中関税圧力が続く中、中国の輸出企業は価格引き下げによって販路を新興国などに広げ、2025年の貿易黒字は過去最高の1.2兆ドル規模に達する勢いですfastbull.com。インドや東南アジア向け輸出が記録的水準となり、アフリカ向けも年内最高を更新するなど、中国製品の「安値攻勢」に各国産業界から警戒が高まっていますfastbull.com。インドでは中国やベトナムからの廉価品に対するダンピング調査申請が相次ぎ、インドネシアも極端な安値輸出を監視する方針ですfastbull.com。一方で各国政府は対中対抗関税で中国を刺激することにも慎重で、メキシコが一部製品に最大50%の関税案を公表した程度に留まっていますfastbull.comfastbull.com。こうした中、米国の高関税政策で板挟みとなっている中国と欧州連合（EU）は歩み寄りを模索しています。中国の李強首相とEUのフォンデアライエン欧州委員長はニューヨークの国連総会に際して会談し、相互の貿易摩擦を緩和し協力関係を強化することで一致しましたreuters.comreuters.com。EUは2023年に中国製EVへの補助金調査を開始して以降、報復としてフランス産酒類などが標的となる寸前でしたがreuters.com、米国からの関税圧力が中国・欧州双方の輸出を逼迫している現状もあり「戦略的自立性」を掲げる欧中協調の動きが出ていますreuters.com。欧州側は中国に対し対ロシア影響力を通じたウクライナ和平協力も要請しておりreuters.com、米国一極ではない連携で貿易と地政学リスクのバランスを取ろうとする姿勢が鮮明になっています。