
2020年から2025年にかけて、国際的な原油価格は大きく変動してきました。特に、OPECプラスによる増産や世界経済の減速などを背景に、近年では原油価格が一時期に比べて明らかに下落しています。
最近のサウジアラビアの動向などをみてもアメリカのシェール潰しにやっきですし、協調製がなく、各国が増産に踏み切っています。アメリカではガソリン価格は低下し、これはアメリカのインフレを押し下げますので、株式市場にもプラスです。
たとえば、2022年6月時点ではブレント原油が1バレルあたり約122ドルだったのに対し、2025年6月には約65ドル前後にまで下落しています。
にもかかわらず、日本国内のガソリン価格はその期間にわたって170円〜180円/L程度と、むしろ高止まりを続けています。日本だけがおかしく、これでは特に地方で家族一人に1台車を所有する家庭にとっては地獄です。
この現象は一見すると矛盾しているように見えますが、実際にはいくつかの明確な要因と日本に特有の構造的問題が背景にあります。
① 円安による輸入価格の上昇
日本は原油のほぼ全量を海外から輸入しており、取引は米ドル建てで行われます。そのため、たとえ原油価格(ドル建て)が下がっても、為替相場が円安に振れていれば、円換算での輸入コストはそれほど下がりません。たとえば、1バレルあたり70ドルの原油でも、為替が1ドル=120円であれば8,400円ですが、1ドル=150円では10,500円と、大きな差が生じます。2022年以降、日本円は継続的な円安傾向にあり、この為替要因がガソリン価格に下落圧力が働かない一因となっています。
② 税制構造の硬直性
日本のガソリン価格のうち、約半分以上は税金によって構成されています。内訳としては、ガソリン税(53.8円/L)、地方揮発油税(5.2円/L)、さらには消費税10%が加算されます。つまり、原油価格が多少変動しても、これらの固定的な税額が価格を下支えしてしまい、店頭価格への反映幅が小さくなります。この「税の固定化」は、価格の弾力性を著しく損ない、価格の自然な調整を妨げる日本固有の問題です。
③ 政府による価格抑制策(補助金制度)の副作用
2022年以降、日本政府は急激なガソリン価格上昇に対応するため、石油元売り企業に対して補助金を支給する政策を導入しています。これにより店頭価格は一定範囲内に抑えられてきましたが、原油価格が下落するとこの補助金が縮小または撤廃される仕組みのため、価格がすぐに下がることはありません。補助金の増減により価格が「安定」しているように見える一方で、市場メカニズムを歪め、消費者が実際の原油価格動向を感じにくくなるという副作用が生じています。
④ 物流・販売コストの上昇
近年、日本では運送業界における人手不足や最低賃金の引き上げ、電気代や保守費用の上昇など、広範なコストプッシュ要因が継続しています。ガソリンスタンドの運営コストも増大しており、その分を価格に転嫁せざるを得ないという構造的課題もあります。とくに地方や中山間地ではスタンドの数自体が減少傾向にあり、価格競争力も低下しています。
⑤ 原油価格反映のタイムラグ
ガソリンとして消費者に届くまでには、原油の輸入、精製、備蓄、輸送といった多くの工程を経るため、国際的な原油価格の変動がガソリン価格に反映されるまでに1〜2週間、場合によっては1か月近くのタイムラグが生じます。そのため、仮に国際市場で価格が急落しても、即座にガソリン価格に反映されるわけではありません。
以上のように、原油価格が下がってもガソリン価格が下がりにくい日本の構造には、いくつかの明確な制度的・経済的な要因が存在しています。中でも特に問題視されるべきは、「税負担の硬直性」と「為替への過度な依存」です。
本来今の税の仕組みを変更するべきなのですが、取りやすいところから取るというのが日本ですから、これでは変わりませんね。
BYDの超低価格、中国で110万円程度で売られている小型EVが障壁なく日本に入ってくれば、皆そこに流れるように思います。電気自動車ですからガソリンが入りませんので。
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