
現在日本の10年国債の金利は1.5%ですが、日米とも債券(国債)から回避、特に長期国債からの回避は加速しているように見えます。
明日の日本市場で国債が上昇していくようであれば、そろそろリスク回避もすべきタイミングかもしれません。
過去、日本において10年国債利回りが急激に上昇した局面では、株式市場が大きく調整するという現象が繰り返し見られてきました。代表的な例は2013年と2022年の2回です。
2013年5月には、当時のアベノミクスによる大胆な金融緩和政策の初期段階で、日銀が量的・質的緩和(いわゆる異次元緩和)を導入したことにより、国債市場が不安定化しました。
10年国債利回りはわずか数週間で0.6%から1.0%近くまで急騰し、長期金利の急上昇が株式市場の過熱感を冷ます結果となりました。
日経平均株価は2013年5月23日に15,942円の高値をつけましたが、その後急落し、約3週間後の6月13日には12,445円まで下落しました。これは約22%の下落であり、下落期間も極めて短期間でした。
この急落の背景には、金利上昇による割高感の意識、債券価格の下落に伴う機関投資家のリバランス、そして急激な円高進行(100円台から93円台)などが重なっていたことが挙げられます。
次に2022年末から2023年初頭にかけての局面では、日銀が長期金利の誘導目標(YCC)の上限を0.25%から0.5%へと事実上引き上げました。これにより国債市場が動揺し、10年金利が短期間で急上昇しました。
この政策変更は、投資家の間で日銀が将来的に本格的な利上げに踏み出す可能性があるとの観測を呼び、株式市場にもネガティブに作用しました。2022年12月14日時点で28,156円であった日経平均株価は、2023年1月4日には25,716円まで下落し、約3週間で8.6%の調整となりました。
とくに不動産株やREIT(不動産投資信託)は、代替的な利回り資産としての競争力を失い、大きく下落しました。
これらの過去の事例と比較すると、2025年現在の状況は一見似ているようで、構造的には大きく異なっています。現在、日本の10年国債利回りは1.5%前後に達しており、これは過去10年間で最も高い水準です。
2023年初頭には0.4%未満であった金利が、2年半足らずで1.1ポイント以上も上昇しており、その急騰ぶりは過去の局面と同等かそれ以上といえます。
金利上昇の背景には、第一に日銀による政策正常化があります。2024年にはマイナス金利が解除され、YCCも完全に撤廃されたことで、長期金利の抑制が事実上放棄されました。
第二に、日本国債の需給構造が悪化しています。従来、国債を大量に買い入れていた日銀の存在感が後退し、代わって民間投資家が国債を吸収する必要が生じ、その負担が金利を押し上げています。
さらに、米国をはじめとする世界的な金利高の影響も波及しており、グローバルな金利環境が日本の金利にも強い上昇圧力をかけています。
このような環境下で、株式市場には調整圧力が生じています。2024年末には日経平均は約4万円と史上最高値を記録していましたが、2025年6月時点では37,000円台へと下落し、約7〜8%の調整局面となっています。
とくにREITは長期金利の上昇により、利回り商品の魅力を相対的に失い、15%程度の下落となっています。下落の期間は3〜4カ月と比較的長期化しており、過去のような急落とは異なり、じわじわとした下げが続いています。
過去のように急激な株価崩壊が発生していない理由としては、現在の日本企業の収益構造が改善されている点が挙げられます。アベノミクス以降、企業の財務体質は強化され、内部留保も積み上がっています。
また、自社株買いや増配を積極的に行う企業も増え、株主還元姿勢が強まっています。さらに、緩やかなインフレ環境により価格転嫁がしやすく、実質賃金と企業利益のバランスが保たれていることも、株価の下支えとなっています。
総じて、現在の1.5%という金利水準は、日本の株式市場にとって重大な「転機」であることは間違いありません。しかし、それは必ずしも暴落を意味するものではなく、高値圏からの調整という形で進行していると考えられます。
マーク・トウェインが語ったとされる「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」という言葉になぞらえるならば、今回も過去のような急激な反応ではないにせよ、類似した展開が徐々に進行しているといえるでしょう。
じわじわとした調整から、このあとの金利の上昇は、日本株の急落という場面につながる可能性は非常に高いと個人的には考えています。
そして株価が大きく下がると、消費はさらに落ち込むことになり、その中で金利が上昇しますので、完全なるスタグフレーションの加速という状況に陥ることになりますね。注意注意!!
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