
今の日本はとても平等であるとは言えませんが、もともとは総中流社会でした。
ここからまずは非正規雇用により不平等になり、この層は現在のインフレで貧困化し、さらには正規雇用の中間層も多くが貧困化の最中にあります。
この要因は何が原因だったのか?時代を遡りながら紐解いてみましょう。
1. 背景:1960年代後半に完成した「日本型平等社会」
高度経済成長と中間層の拡大:1960年代〜70年代にかけて日本は高度経済成長を遂げ、「一億総中流」と言われる社会が形成されました。
経済成長の果実は比較的広く分配され、雇用は安定、所得格差は抑制されていました。
終身雇用・年功序列・企業内組合といった日本型雇用慣行は、正社員を中心とした長期安定の労働構造を支えました。
2. 1990年代以降の転換:「日本型不平等社会」の出現
バブル崩壊と企業の生き残り戦略:1991年のバブル崩壊を契機に、企業は経営の効率化・コスト削減を迫られます。
不況期には「人員削減」は難しいため、企業は新規採用抑制・非正規雇用の活用という手段に出ました。
同時に、「成果主義」「自己責任」という新自由主義的な価値観が導入され、従来の長期安定雇用モデルが揺らぎ始めました。
3. 非正規雇用の拡大と格差の定着
非正規雇用の推移:1990年代初頭:約15%だった非正規雇用比率が、2020年代には約40%にまで増加。特に女性や若者に集中し、正規雇用との賃金・福利厚生・昇進機会などで大きな格差が生じています。
年代 非正規雇用比率(全体) 女性の非正規率
1990 約15% 約35%
2000 約26% 約50%
2020 約38% 約55%
賃金格差と「ワーキングプア」:非正規労働者の賃金は正社員の6〜7割程度。社会保険未加入や不安定な雇用形態により、「働いても生活が苦しい」ワーキングプア層が増加。
4. なぜ企業は非正規を拡大したのか?
総人件費削減のための合理化策:グローバル競争が激化し、企業は「正社員の賃金水準を維持したまま、柔軟に人件費を調整する手段」として非正規雇用を活用。
例:派遣社員・契約社員・パートタイマー・業務委託などを活用し、企業は即戦力化・雇用調整の容易化を図った。
「選別的安定雇用」への移行:企業は、幹部候補など「選ばれた正社員」には引き続き安定雇用を保障し、それ以外の業務は非正規へシフト。結果として、同じ企業内でも「正社員」と「非正規」で明確な階層が形成され、内部格差が生まれた。
5. 政策的な後押しも影響:労働法制の規制緩和
1999年:労働者派遣法の改正により、派遣労働の対象業務が大幅に拡大。
2004年:製造業への派遣も解禁され、企業の非正規化を一段と加速。政策的にも「雇用の多様化」として非正規雇用を容認・促進する流れが強まった。
6. 日本型不平等社会の特徴
雇用形態 正規/非正規で明確な格差が固定化
所得格差 賃金水準・手当・福利厚生の格差
世代間格差 就職氷河期世代のキャリア喪失と老後不安
地域格差 地方の雇用不安・首都圏への若者流出
教育・資産格差 家庭の経済力が子どもの進学・就職機会に影響(機会の不平等)
結論:企業主導による雇用構造の再編が「不平等」を制度化した。
日本企業はバブル崩壊後の経済的苦境の中で、雇用の柔軟性確保、総人件費の抑制、成果主義導入といった合理的な経営判断に基づいて非正規化を進めました。しかしそれが、社会全体にわたる格差の固定化につながりました。
「努力しても報われない」構造を招き、日本型平等社会は事実上終焉し、企業主導の不平等社会が制度として定着していったのです。
そして日本の悪化する財政の中で、国民負担率は更に増加し、そしてインフレ税も増加しますので、不平等社会の中での勝ち組であっても、サラリーマンであれば搾取され続ける側になり、富裕化は実質不可能です。
ラットレースから抜け出すには投資脳を鍛え続けることが必須であるという結論につながりますね。
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