投資の知識

【 インフレとインフレ期待 5月22日 】

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昨夜の米国債は少し落ち着き金利は下がってきました。株式指数は3指数まちまちですが、警戒感からの売り圧力が強く感じられます。


ミシガン大による調査で、米消費者のセンチメントは5月に予想外に悪化し、過去2番目の低水準となっています。期待指数はほぼ1ポイント低下の46.5と、約45年ぶりの低水準。現況指数は2.2ポイント低下の57.6となりました。


関税を巡る懸念が高まる中、インフレ期待は数十年ぶりの高水準を記録し、1年先のインフレ期待は7.3%で、1981年以来の高水準となっています。予想は6.5%で前月は6.5%でした。


インフレが進行すると人々のインフレ期待が高まり、それを抑制する過程で失業が増加する可能性があるという現象は、経済学における重要なテーマです。


この関係性は、特に「フィリップス曲線」や「期待インフレ理論」によって説明されます。


📉 インフレ期待と失業の関係:理論的背景


フィリップス曲線は、失業率とインフレ率の間に逆相関があることを示す理論です。つまり、失業率が低下するとインフレ率が上昇しやすくなり、その逆もまた然りです。


しかし、1970年代のスタグフレーション(高インフレと高失業の同時発生)を経て、期待インフレの概念が導入されました。経済主体が将来のインフレを予想し、それに基づいて行動するため、インフレ期待が実際のインフレに影響を与えるとされます。


この理論は、エドマンド・フェルプスやミルトン・フリードマンによって提唱され、短期的には失業とインフレのトレードオフが存在するものの、長期的には自然失業率に収束し、インフレ期待が実現インフレに影響を与えるとされます。


📚 歴史的事例:インフレ期待と失業の悪循環


1. 1970年代のアメリカ:スタグフレーション


1970年代のアメリカでは、石油ショックや財政赤字の拡大によりインフレが加速しました。人々のインフレ期待が高まり、賃金と価格が連鎖的に上昇する「賃金・物価スパイラル」が発生しました。


これに対処するため、当時のFRB議長ポール・ボルカーは金利を大幅に引き上げ、インフレを抑制しましたが、その結果、失業率も急上昇しました。


2. 2021–2022年のアメリカ:パンデミック後のインフレ


COVID-19パンデミック後の景気刺激策や供給制約により、アメリカではインフレが急上昇しました。FRBは当初、インフレは一時的と判断し、利上げを見送りましたが、インフレ期待が高まる中で政策転換を余儀なくされました。


その結果、金利の急速な引き上げが行われ、景気減速と失業率の上昇リスクが懸念されました。


📈 インフレ率(2025年4月)


総合消費者物価指数(CPI):前年同月比で +2.3% の上昇となり、2021年2月以来の低水準を記録しました。

コアCPI(食品とエネルギーを除く):前年同月比で +2.8% の上昇となり、前月と同水準を維持しました。

個人消費支出価格指数(PCE):前年同月比で +2.2% の上昇となり、連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%に近づいています。


🔮 インフレ期待(2025年4月)


ニューヨーク連邦準備銀行が実施した「消費者期待調査」によると


1年先のインフレ期待:中央値は 3.6% で、前月から変化はありません。

3年先のインフレ期待:中央値は 3.2% で、前月から0.2ポイント上昇し、2022年7月以来の高水準となりました。


そして5月ミシガン大学 発表のインフレ期待は7.3%ですので非常に大きく伸びています。


インフレ期待の高まりをみても、アメリカのインフレ率の上昇はほぼ確実にこのあと訪れることになりそうです。FRBは利下げに関しては慎重にならざるを得なく、トランプ大統領はそれに対して早く利下げをしろと吠え続けるでしょう。


不確実性だけが続く状況ですので、どのタイミングで大きな下げがくるのか?とにかく10年債金利の上昇に注意です。

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