投資の知識

【 アメリカ国債金利は夏に下がる可能性 5月24日 】

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今はとにかく日米とも債務問題による国債金利の上昇が一番の問題であり、金融市場に与える影響は大きいです。


紙幣からのリスク回避の動きが明確で、株安、債権安の中で、BTCは過去最高値を超え、金も少し下がってもすぐに上昇基調に戻ります。


日本には残念ながら債務問題をまともに解決する手立てはありませんが、アメリカにはこの手立てがいくつか残っています。


ベッセント米財務長官は昨日、銀行の米国債取引に制約を与えてきたSLR規則について、今夏にも当局が緩和する可能性があると述べていますが、これが金利を下げる一つの方法です。


補完的レバレッジ比率(SLR: Supplementary Leverage Ratio)は、米国の大手銀行に適用される自己資本規制の一種で、リスクの大小にかかわらず全資産に対して一定の中核的自己資本を保有するよう求めるルールです。


これは2008年の金融危機後、バーゼルIII規制の一環として導入され、過度なレバレッジを抑制するために設けられました。


SLRの緩和と国債除外の意味)2020年のパンデミック初期には、FRBは一時的にSLRの計算から米国債と準備預金を除外しました(2021年3月終了)。これは、市場の機能を維持し、金融機関に国債購入の余地を持たせる目的でした。


再び国債がSLRから恒久的に除外されれば、銀行にとって以下のような影響が考えられます。


① 中核的自己資本の圧迫なしに国債保有を拡大可能


② 国債需要が増加し、金利(利回り)は低下圧力


③ 国債市場の流動性が改善


④ 米財務省の借入コスト(利払い)も低下


仮に、SLRの対象から国債(約15~20%のバランスシート比率)を除外できるとすると、各行は数千億ドル規模で追加で国債を保有できる枠が広がります。


総計で見た追加購入余地を試算すると、米銀全体での国債保有(2024年時点)約4.3兆ドルです。


規制緩和により 0.5兆~1兆ドル 規模の追加購入余地が生まれる可能性があり、この買い需要の増加は、長期金利を数十bp(例:0.30~0.50%)押し下げる要因になるとの市場見通しも出ています。


今の高金利水準から考えると、大規模な財政支出改善とはいきませんが、この積み重ねが重要です。ベッセント財務長官は金融のプロ中のプロです。


日本はなぜこれができないかと言えば、日本生命保険が保有する日本国債など国内債の含み損が、3月末時点で3兆6000億円と1年前の3.6倍に拡大しており、他の生保や機関投資家も同様で、リスクが高すぎて日本国債を大量保有できないのです。


SLRの緩和が実際に決定すれば、株式市場には好影響を与えますので、そのタイミングでは現在のS&P500のショートを閉じる予定です。ただし関税と企業業績次第になるのは当然のことです。

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