ビットコインが急反発し10万8,000ドル台を回復。トランプ大統領の対中発言が和らぎ、リスク選好ムードが広がりました。

米Arrow社の中国子会社への輸出規制が解除へ。米国が対中政策を一部緩和する姿勢を見せ、市場では歓迎ムードが広がっています。

中国はNSAによる標準時センターへの侵入を非難。米中間のサイバー対立が一段と激化し、地政学リスクの警戒感が高まっています。

オランダと中国が半導体企業Nexperiaを巡り協議入り。自動車部品の供給網に波及する可能性もあり、欧州製造業の行方が注目されます。

2025年10月20日 過去24時間の市場動向と経済ニュース

ビットコイン（BTC）価格推移

ビットコインは10月19日（米国未明）に急反発し、前日比+1.76%の約108,800ドルまで上昇しました。これは先週末にトランプ米大統領が対中強硬発言を和らげ「全てうまくいく」と発言したことなどでリスク選好ムードが強まり、株式市場にも買い戻しが広がったためとみられますreuters.com。ただ、10月初旬に史上高値（約12万6198ドル）を付けた後は調整局面が続いており、10月に入ってからは約5%の下落となっていますreuters.comcoindesk.com。実際、直近では1万700ドルを割り込む場面もあり、この水準割れで約12億ドルのロングポジションが清算されるなど市場のボラティリティが高まっていますcoindesk.com。

米Arrow社、中国子会社への規制解除発表

米大手電子部品商社Arrow Electronicsは10月18日、米商務省から中国子会社への輸出規制が解除されると発表しましたreuters.com。同社の中国子会社は、イラン支援組織（ホルシ組織など）の武装ドローンに部品が流出した件で10月8日に制裁リスト入りしていましたが、商務省が近日中に公式に制裁解除を公表する予定であり、同日付で一時的に制限が撤回される見通しですreuters.comreuters.com。制裁解除によりArrow社は10月8日以前と同じ条件で中国子会社との取引を再開できるようになります。今回の発表は、イラン絡みの安全保障問題で一旦強化された対中規制を米国側が緩和したもので、市場では米中間の貿易・安全保障政策における微調整と受け止められています。

中国、NSAによる「標準時センター」侵入疑惑を非難

中国国家安全部は10月19日、米国家安全保障局（NSA）が中国の国家標準時センターに対し長期的なサイバー攻撃を仕掛けたと発表し、これを激しく非難しましたreuters.com。標準時センターは通信網や金融システムの基盤となる重要施設で、中国側は2017年以降に複数回にわたるデータ侵入を確認していると指摘していますreuters.comreuters.com。この発表は両国の技術・安全保障対立が一段と深刻化していることを示しており、投資家の間では米中関係悪化による地政学的リスクの高まりが警戒されています。

オランダ、半導体Nexperia巡る対立で中国と協議へ

オランダ政府は10月19日、中国系半導体メーカーNexperiaをめぐる対立解消に向け、中国政府高官と協議する方針を明らかにしましたreuters.com。Nexperiaはドイツ・ハンブルクで自動車向け基本チップを大量生産する企業で、オランダは先月末に同社の経営権を凍結したのに対し、中国政府はNexperia製品の輸出禁止措置で対抗していますreuters.com。Nexperia製品は世界の自動車部品サプライチェーンで重要な役割を果たしており、このまま対立が長引くと世界的な部品不足を招きかねませんreuters.com。欧州と中国の協議で早期に解決策が見いだされるかどうかが、業界からも注目されています。

韓国、APEC前に米国との貿易協定合意へ前進

韓国政府は10月19日、今月末にソウルで開かれるAPEC首脳会議までに米国との新たな貿易協定が合意される可能性が高まったと発表しましたreuters.com。両国は7月の枠組み合意で、米国が韓国輸入品の関税を15%に引き下げる見返りに韓国が米国で3500億ドル規模の投資を行う方向で合意していましたが、自動車関税など詳細を詰めきれていませんでした。韓国高官によれば、米国側も近日中に合意発表があるとの見通しであり、現在も最終調整を急いでいますreuters.com。協定合意が実現すれば両国の貿易関係は一層強化され、韓国経済への下支え材料と見られていますreuters.com。